整体と肘の痛み
- 力を入れたりボールを投げるように反ると肘の内側が痛い
- ぞうきんを絞るときに肘の外側が痛い
- 手首の痛みや指が動かしヅライ
- テニスやゴルフで肘を痛めた
- 手の指がビリビリしびれる
肘の痛みの原因
肘の痛みの原因はスポーツや仕事で腕の使い過ぎによる筋肉の炎症や腱鞘炎によるものです。また肘は肩や手首と隣接しているため、それらの影響を受けて二次的に痛みが起きている場合があります。
肘痛に限らず膝痛などでもよく言われていることですが、軟骨がすり減ったり神経が圧迫されて痛みやシビレが出るということはありません。
よくある机に肘をぶつけたときに指先までシビレるのは、神経を打ったからではなく打った場所の筋肉の関連痛として他の部位に痛みやシビレを起こすようです。
痛みの原因は大きく分けると炎症か血行不良のどちらかになりますが、ぶつけたり使い過ぎによる場合は筋肉や腱の炎症で、慢性的な痛みは血行不良によるものです。
痛みのタイプとしては主にこのようなものがあります。
1.外側上顆炎(テニス肘)
テニスのバックハンドのし過ぎによって肘の外側が痛くなるので、テニス肘と言われていますが、実際にはテニス以外のスポーツや手をよく使う仕事の方もなりやすいようです。
上腕の筋肉が付着している外側上顆という部分が、くり返しかかる負荷によって筋肉の炎症が起きてしまいます。テニス以外にぞうきんを絞るような動作でも痛みます。
2.内側上顆炎(野球肘・ゴルフ肘)
野球での投球時やゴルフでのスイング時に、肘の内側に負担がかかり痛くなるので、野球肘・ゴルフ肘と呼ばれています。テニス肘とは反対に上腕の筋肉が付着している内側上顆という部分が、くり返しかかる負荷によって筋肉の炎症が起きてしまいます。
しかし、内側上顆炎はテニスでもフォアハンドによって起きることがありますので、スポーツ名を症状名にするのはあまり適切ではないでしょう。
3.変形性肘関節症
関節(骨や軟骨)の変形によって痛みが起こると考えられていますが、変形性股関節症、変形性膝関節症と同様に、実際にはそのようなことはあり得ません。やはり筋肉や靭帯の緊張や線維化によって起こる血行不良が原因だと考えられます。
4.肘部管症候群
肘の内側にある肘部管の中を通る尺骨神経を圧迫することによって症状ですが、小指や薬指にシビレや痛みが起きます。原因は変形性肘関節症、あるいは外傷によるなどによる、骨や周りの組織が変形、瘢痕化や線維化して神経を圧迫しているからだと言われています。
肘の内側を叩いたときに小指と薬指にシビレがあるかどうかが肘部管症候群の診断基準となっているのですが、これは筋肉の関連痛なので関係ありません。肘部管症候群とは神経麻痺ですので、シビレや痛みではなく知覚がないものをいいます。
5.上腕三頭筋腱炎
肩の後ろから肘の後ろにかけて筋肉を上腕三頭筋といいますが、この筋肉の肘につく腱の部分が炎症を起こすので上腕三頭筋腱炎と呼ばれています。
また慢性化すると疲労物質が溜まり痛みの原因になります。腕を何度も伸ばしたり曲げたりする方、特にテニス、野球、ウェイトリフティングなどのスポーツをやる方にも多いのですが、不思議な話これをテニス肘だとか野球肘とはいいません。
肘の痛みを解消するためには?
炎症性の場合、腫れや熱を持った状態のときはまず安静、そして冷やすことです。原因は腕の使い過ぎですので、そうするだけで痛みはある程度治まります。また、場合によってはテーピングを施して肘に負担をかけないようにする必要があります。
炎症や痛みが治まってきた後や慢性化した血行不良による場合は、温めたりストレッチすることで硬くなって血行が悪くなった筋肉の血行を改善し、疲労物質を流します。ストレッチは痛みを起こさないようにすることが重要です。
また、肘関節はもちろん肩や手首も矯正して筋肉を正しい位置に戻し、再発しないように予防しておきましょう。