整体と鬱(うつ)病
- 一日中ずっと気分が沈みっぱなしだ
- 何にも興味がわかずやる気がわかない
- 何を食べても美味しいと感じず、食欲もわかない
- 寝付きが悪く夜中や朝はやくに目が覚めてしまう
- 自分の存在価値を感じず、死んでしまいたいと思う
うつ病とは
最近急速にうつ病を患う方が増えてきていますが、このうつ病以外にも躁うつ病、パニック障害、統合失調症、PTSDなど様々な心の病気があります。これらの病気の症状の1つとして「うつ状態」がありますが、うつ病とは違う病気です。
心の病気は非常に複雑で、うつ病だけでも、症状、重症度や成因などによっていくつかに分類されますが、結局のところハッキリとした原因がわからないため、どの分類法によっても明確には区分できません。
従来日本においてうつ病は、大きく心因性、内因性、外因性の3つに分類されていますが、全て単独で起きることはなく、成因が複合、あるいは合併したりするので、一人一人みんな原因が異なってきます。
■内因性(典型的なうつ病)
遺伝や体質などが原因と考えられています。内因性うつ病は、原因がはっきりと特定できない場合に診断されることが多いため、生まれもった先天的な原因であろうと考えられてきました。しかし最近では、環境的な要因も原因の1つとして重要視されるようになってきています。
また引越し、結婚、離別などの、急激な心理的負担の変化が影響することも多いようですが、これらの出来事はあくまでも引き金であり、原因になるとは考えられていません。
■心因性(神経性)
性格や環境が強く関係していて、悩みや心配、ショックなどの精神的ストレスによって起こるうつ病とされています。
いわゆるノイローゼにおけるうつ状態であり、抗うつ薬治療が効果をあまり示さないため、心因性うつ病はうつ病に含めないという見方もあります。
■外因性(身体因性)
脳の病気や身体の病気によって、うつ状態が伴って現れる場合をいいます。また服用している薬の影響によって、うつ病と似たような症状があらわれます。
病気や症状としては、脳血管障害、糖尿病、関節リウマチ、甲状腺障害、パーキンソン病、ガンなどにより抑うつ状態となる場合があります。
ただ、単純にこれらの影響でうつ状態が発症する場合には、うつ病として診断されることは最近では少なくなっています。
うつ病(内因性)の成因
1.セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の低下。
2.過剰なストレスに長期間さらされると、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが多量に分泌され、脳の海馬を萎縮させる。
3.うつ病にかかりやすい性格・・・几帳面、生真面目、責任感が強くて仕事熱心な人。また、決断力が弱く板挟み状態になりやすい人。
うつ病を解消するためには
一般的な病気と同じで、うつ病も原因がはっきりしているときは、その原因に対してアプローチしていくことが重要です。
身体的疾患がある場合はその治療を行い、薬による影響が考えられる場合は使用の中止、あるいは薬の変更が必要でしょうし、また、ストレスなどの心因的な影響が強い場合は、環境の見直し、カウンセリングや心理療法が必要になってくるでしょう。
典型的、すなわち内因性のうつ病の場合は、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質が低下していると推測されているので、抗うつ剤が有効になってくるようです。
もちろんこれらは単独で行うわけではなく、個人の状態により併用していきます。
これらは一般的なうつ病の治療法ですが、内因性や心因性のうつ病の場合、整体やカイロプラクティックが有効になってきます。
特にSOTカイロプラクティックやオステオパシーは、頭蓋骨矯正や内臓治療によってダイレクトに脳や内臓に働きかけられます。
セロトニンは精神を安定させる重要な働きがあり、全体の2%は脳で、95%は腸で産生されます。 ノルアドレナリンは神経を興奮させる働きがあり、脳や副腎で産生され不安や恐怖などのストレスに対して真向から受けて立ちます。
SOTやオステオパシーによってこれらの神経伝達物質の産生を促すことで、抗うつ剤を使わずに正常な脳の働きを取り戻すことが可能です。
また、強いストレスを長期間受け続けると、交感神経が優位となり副腎髄質ホルモンであるノルアドレナリンによってストレスに対抗するわけですが、それでも抵抗し切れない場合は、副交感神経にきりかわり副腎皮質ホルモンであるコルチゾール(ステロイド)によって受け流そうとします。
さらにストレスを受け続けてコルチゾールが過剰分泌すると、副腎が疲労しきってうつ状態となります。うつ病の場合、副腎疲労症候群になっている場合が非常に多いのです。
元来、うつ病患者は睡眠不足なのですが、これも副腎機能障害の一つに考えられます。睡眠が不足しているために機能が回復せず、その結果眠れないという悪循環になります。
ですから心因性にしろ、内因性にしろ副腎は疲労しているため、副腎や副腎に司令をだす脳を活性化することで、うつ病に対して効果が期待が出来るのです。
しかし、やはりSOTやオステオパシーの治療だけでなく、性格や環境の要因が強い場合には、併行して環境の改善や悩みや不安などの解決を試みなければ、根本的な改善にはつながらないでしょう。
いずれにしてもSOTやオステオパシーはうつ病のタイプを問わずに効果的なので、抗うつ剤や睡眠剤などの薬を使いたくない人や、なかなか改善しない人にお勧めします。もちろん薬は使わないに越したことはないのは言うまでもありません。
脳脊髄液とは神経に栄養を与えたり、保護したりする生命にとって最も重要な体液です。ですから背骨を矯正してただ神経の流れを良くするだけでは不十分であり、脳脊髄液の流れや産生を改善することで初めて神経は正常な働きを取り戻すことが出来るのです。
このようにして自律神経の働きを正常に戻し症状の改善を図っていきます。