整体と捻挫
- 歩いていると足首に違和感が出てくる
- 走ったり運動したりすると足首が痛くなる
- 足首の動きが悪い
- 膝やふくらはぎが痛くなる
- 階段を降りるのがツライ
捻挫とは
誰でも一度は経験したことのある捻挫ですが、数十年も前に一度だけ経験し、そのことはすっかり忘れてしまうほどの小さな怪我です。しかし、これが今あなたを困らせている腰痛や膝の痛み、あるいは肩の痛みなどの原因となっている可能性もあるのです。
捻挫とは関節に許容範囲を超えた負荷がかかり、関節を固定するための靭帯や関節包を損傷した状態です。
損傷すると患部は炎症を起こし、熱感や腫脹、痛みを引き起こします。またひどい場合は内出血を起こします。捻挫は関節であればどこでも起こりうる可能性はありますが、起こりやすい関節としては足首や手首です。また、ムチウチによる頚椎捻挫、ギックリ腰による腰椎捻挫もよくある捻挫です。
足首捻挫は一般的にスポーツなどで起きますが、一般生活においても転んだりして足を挫くことはよくあります。
足首捻挫の85%は内反捻挫といい足首が内側に倒れる捻挫で、足首の外側にある外側側副靭帯の損傷です。足首の構造上、内反捻挫が多いのですが、逆に足首が外側に倒れる外反捻挫は起こりにくいかわりに、起きた場合は剥離骨折を伴うことが多いので危険です。
捻挫の後遺症
●足関節の筋力低下
受傷後初期の段階ではギブスやテーピングで関節を固定することにより、痛みを軽減し歩行や活動を補助しますが、長期間筋肉を動かさないため筋力が低下してしまいます。筋力が低下してしまうと、靭帯に負担がかかるので靭帯の回復を遅らせたり、捻挫を起こしやすくしてしまいます。
●足関節の動きの制限
ギブスやテーピングで長時間固定していたため、筋肉や靭帯が癒着し関節の可動制限が起こります。また、捻挫したときに関節のわずかなズレが起き、その状態で固定してしまうと歪んだ状態で固まってしまうので、足関節のみならず膝や股関節、骨盤にまで影響を与えてしまいます。
●体重をかけた際に痛みを感じる
靭帯の緩みや関節の可動制限が起きることで、歩いたり運動したときに痛みが伴います。
足首の周りには、関節の位置や掛かる負荷などの状況を把握するセンサーがあります。このセンサーによって足首をコントロールすることができるのですが、捻挫によってこれらのセンサーの機能が働かなくなると反応が悪くなるので、関節の不安定性が生じ捻挫をくり返しやすくなります。
足首捻挫の後遺症を解消するには?
捻挫は外傷なので捻挫そのものの治療は当院ではお受けしていません。当院では捻挫による後遺症、および後遺症を防ぐための治療を行なっています。
捻挫を再発させず、後遺症を予防するためには、関節を正しい状態に戻してあげ、靭帯の損傷を回復させることが重要です。
一般的に捻挫とは骨と骨の間にズレのないものをいい、少しでもズレが生じたものは亜脱臼(あだっきゅう)といいますが、実際にはレントゲンなどでは問題視されないような微小なズレを生じています。
この微小なズレを放置しておくと後々関節の動きの制限や痛みに繋がって来てしまうのです。しかし、整形外科における診断は靭帯や骨などの損傷、目に見える大きなズレ(亜脱臼、脱臼) の有無などが診断基準となってきますので、そのような微小なズレは診断や治療の概念にありません。
捻挫の受傷直後は※「RICE」が基本になってきますが、本来この段階で微小なズレを解消しておくと治りも早く、後遺症も起きにくくなります。
※RICEとはR:rest(安静)、I:ice(冷やす)、C:compressio(圧迫)、E:elevation(高挙)のことで捻挫治療の基本です。
この微小なズレを優しくゆっくりと矯正します。捻挫をして長期間が過ぎた場合には、足首の負担が全身におよぶので、足首だけではなく膝や股関節、骨盤、さらに腰椎などを調整していきます。そうすることで再び足首に負担がかかりにくくなり、捻挫の再発を防ぐことができるからです。
腰痛など違うことでお悩みの方も隠れ後遺症となっている場合があります。なかなか良くならない腰痛や膝の痛みなどがある方は、もしかしたら原因は足首にあるのかもしれません。